福井県指定有形文化財指定
1 名称 2 建造物の構造および形式 3 建立年代 4 作者名 5 由来 6 保存管理状況
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三國神社随身門の建築文化財的価値について
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三國神社随身門は三間一戸の楼門である。広大な三國神社の社域にふさわしく、笏谷石で整えられた参道の正面にどっしりと華やかに建っている。 規模は福井県内の楼門の中では最も大きく、軒の組物も三手先二軒扇垂木と本格的である。腰組も、秤肘木は省略するも三手先とし、四方切目縁は小口に彫刻板を張り付けた角材で化粧を施すなど凝った作りである。組物や支輪は青、縁、白などで彩色を施すほか、すべてを弁柄塗りとしていることが華やかさを引き立てている。 三国湊がもっとも繁栄を極めた江戸時代末期に、三国の町衆が総力をあげて近在には見られない立派なものを意気込んで実現した様子が十分にうかがえる。 ところで、全国には60余棟の国宝あるいは重要文化財の楼門がある。 その半分が中世、半分が近世の建築になるが、三國神社随身門より梁間、桁行ともに規模の大きなものは13棟を数えるだけである。そのうち当初から桧皮葺きのものは2棟しかなく、いずれも室町時代のものである。 また、三手先以上で扇垂木とするものも少なく、日光の陽明門と大猷院二天門、神部神社浅間神社楼門の3棟に過ぎない。 このように三國神社随身門は全国の重要文化財と比較しても、規模形式ともに決してひけをとる事なく、貴重な文化財建造物であるということができる。 三國神社随身門の屋根は嶺北では珍しい桧皮葺きであったが、2004年、銅板葺きに改められた。 |
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2004年12月1日 福井大学工学部建築建設工学科 助手 福井 宇洋 |